石油ネット業界事情の「今」を見つめる 石油ネット

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―世相斬り−

キング

第 2 回

大手メディアの報道姿勢に疑問符?


 前回このコーナーで大新聞の誤報によって、一般消費者並びに関係者に多大な迷惑をかけた事を報じた。この件以外にも、新聞、テレビなどいわゆる大手メディアの報道姿勢に対し、疑問を持つ方々は多いであろう。


一昔前は新聞、テレビか正しい報道でタブロイドや週刊紙の報道は「選別しなければ誤報もある」とされていた時代があった。しかし現在は上記の媒体に加え、各種ウェブやツイッター、YouTubeWinny、にこにこ動画などの多彩なメディアが誕生した。テレビも地上波、BSCSと多様化した。このため報道の受け手である皆様方は、どのメディアの情報が正しく、有意義な問題提起されているかを選別しなければならない時代になった。


各メディアは一長一短であり、例えばWebは情報が早く、アッと驚く事実が掲載されている反面、全てのWebの情報に信用性があるとは絶対にいえず、むしろ情報提供者の策略さえ疑ってしまうような誤報が存在するのも事実である。一方、新聞、テレビなどの大手メディアは、一部誤報を除き全般的に信憑性はある、しかし、最近の大手メディアは議論しなければならない本質を避け、世論受けが良い目先の情報と、時の権力組織にとって都合の良い情報を大々的に報道し、歪んだ世論形成の手助けをしているのでは?と思ってしまう時が多々ある。


例えば尖閣諸島の問題も、YouTubeに映像を流した海上保安官を逮捕する、しないという問題よりも、中国人船長の釈放について高度な政治決断を下したにもかかわらず、那覇地検が判断をしたという事で地検に責任を押し付けた上、事件直後のタイムリーな時期に映像を公開しなかった政府の大失態に対し、責任を追及する報道があまりにも少ない。また同時期に起きた国際テロ捜査リストの流失問題については、ある意味、尖閣ビデオ流失よりも重大な問題だ。その他にも自衛隊の機密、警視庁の暴力団関連情報の漏洩など、時間をかけて報道しなければならないテーマは沢山ある。


 民主党の小沢さんの強制起訴についても、検察審査会の正当性、推定無罪の原則を無視し、議員辞職や離党を促す偏った報道に終始したことは残念でならない。こうした不公正な報道によって、小沢さんの政治活動の足枷になっていることは事実だ。現在の菅内閣の末期的症状をみると、大手メディアが作り出した歪んだ世論を土台として、発足した内閣と位地付けられても反論はできないだろう。また、先ごろ無罪が確定した厚生労働省の村木さんの件も、当初、検察サイドからでた情報だけをニュースソースとして報道したことにより、多くの国民が村木さんを犯罪者と思い込んでしまった。これらの報道は、権力サイドからの情報を垂れ流すだけで、本来のジャーナリズムとはいえない。やはり権力サイドの主張に対し、虚偽や矛盾はないか裏をとることが必要だ。そういう取材を行わず、一定方向からの情報を垂れ流すだけのメディアは、権力サイドにとって都合が良いだけの世論形成の道具になってしまう。


 こうした背景には、特定のメディアだけを対象とした記者クラブという長きにわたる歴史が、大手メディアの方向性を狂わせた一因である。さらに懸念すべき事は大新聞の再販制度維持、テレビ局は総務省の許認可が必要など、大手メディアといえども時の権力と交流することで、今までの制度の黙認や許認可の便宜を図る、といったメリットが存在する。このような由々しき事態を、国民が一瞬でも頭によぎらないような報道姿勢を貫く事が、大手メディアとしての義務であり、責任である。

 

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