石油ネット業界事情の「今」を見つめる 石油ネット

 政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。

―世相斬り−

キング

第 8 回

菅内閣退陣が政治の正常化への近道

6月2日 自民、公明など野党が提出した内閣不信任案の採決が行われた。結果は賛成152票、反対293票、欠席33票で否決された。当初、民主党の小沢さん、鳩山さん、原口さん、松木さんなど複数の代議士が賛成を表明していた。同日2日の正午過ぎに同党の代議士会を開催。その中で菅総理が辞意を表明したことで、同案に賛成するはずだった民主党代議士のほとんどが反対にまわり否決された経緯があった。


しかし否決後の菅総理、岡田幹事長の会見ではメディアからの質問に対し、「震災復興に一定のメドがつくまで」と曖昧な答弁に終始し、辞任時期の明言は避けた。通常であれば不信任案が否決された場合、その内閣は信任され政権基盤はより強固になる。しかし、菅執行部が未練がましく権力の座にしがみつきたいという姿勢が会見で明らかになり、自民党をはじめ野党はもちろんのこと、民主党内部の対立もより深刻になり、極めて不安定な政治状況に陥った。


自民党は「辞意を表明した内閣の下で、今後の復興に関する法案を決定することに異議あり」という方向性を示しており、参議院での問責決議案成立に向け活発化するだろう。一方、民主党は菅総理が辞任することを前提に反対票を投じた衆議院議員、反執行部の参議院議員は、鳩山さんが発言した「6月中遅くても7月初旬」という時期に菅総理が辞任しない限り、民主党が一枚岩にはなれない上、党内から倒閣運動が起こる可能性もあるだろう。こうした現状では、被災地の復興、原発の収束はもとより、近未来のエネルギー政策、経済全般など重要な政策が迅速に進行するとは思えない。


 今回の内閣不信任にまつわる騒動によって、菅総理を中心とした執行部は矛盾と嘘を上手に使い分けてまで政権を延命したい、という魂胆がはっきりした。震災復興が最優先と位置づけ野党の不信任案提出を非難しながら、万が一可決された場合は衆議院の解散をほのめかす矛盾。仲間である民主党議員にまで辞任時期について嘘を言い、不信任案に反対させる。ここまでして権力にしがみつく菅執行部に対し憤りを覚える。


この政権は震災前に危険な状態に陥っていたが、震災によって延命された。しかし、震災後の対応も仮設住宅建設の遅れなど復興も進まない。福島原発からの放射線物質を含む汚染水を隣国に事前告知する前に海に垂れ流す。既にメルトダウンはしていた。二転三転した海水注入問題など非難するネタに事欠かない。


 政治を早期に正常化させるためには、遅くとも復興基本法案、第二次補正予算の成立と引き換えに菅内閣が総辞職するしか方法がない。出口の見えない福島原発は次期政権に任せるべきである。なぜならば少しでも長く総理を続けたい菅さんには、原発の早期収束を国民に対し訴えても、誰一人として信用しないと思う。


バックナンバー 7 6 5 4 3 2 1