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 政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。

―世相斬り−

キング

第 16 回

深まる政治不信、消費税増税でも財政危機は救えない

 遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。今年もこのコーナーでは、様々なジャンルを「世相斬り」していきますので、ご拝読をよろしくお願いします。


昨年末から消費増税の議論がクローズアップしており、野田首相は「不退転の決意」で消費税増税に臨むと強い姿勢をみせている。これについて世論は、国家財政を考慮すると消費増税は止むを得ないが、その前に国会議員の定数削減、役人の人件費削減といった行政を司る人々が自ら身を削る政策を実践すべき。政権交代時の衆院選マニフェストの多くが手つかずのまま、消費増税を優先するのは本末転倒だ。社会保障と税の一体改革といいながら、社会保障の未来像が見えてこない。など現政権に対する矛盾点を挙げればきりがない。一方、野党自民党も10%の消費税率を前回参院選に公約にしながら、政局を優先し審議には応じない姿勢も理解できない。日本を代表する二大政党に期待できない状況では、国民の政治不信は深まるばかり。

今回の消費増税が実施されても、国家財政が好転し後世にツケを回さない。という淡い期待は幻想であり、国民に増税分の負担を強制的に押し付け、その恩恵を受けるのは一部の既得権益者になることは明白だ。税率をアップしても、増税による消費の冷え込み、実体経済の悪化が確実視されており、橋本政権時に3%から5%に消費税率を引き上げた時と同様に税率は上がったが、肝心の税収が上がらない事態に落ちる可能性が極めて高い。財政の健全化は徹底的に行政改革を行い、無駄遣いを削減することを最優先しなければならない。「国家という名の穴の開いたバケツに、消費増税分という水をいくら注いでも水はたまらない。無駄遣いという穴を修理したのちに、増税という水を注がなければまったく意味がない。」さらに、国民が社会保障、将来の年金に対し多大な不信感を抱いている現状のシステムでは、ある程度生活に余裕のある層も消費よりも貯蓄に軸足を置くに違いない。


日本国の将来のために、消費税の増税を実施するのであれば、政治家、官僚は自ら身を削り無駄遣いを削減し、社会保障の未来像を明確にするとともに、各種の経済対策を講じた上で、これだけの税収が不足するので、消費税率を何%アップするという、道筋を立てた当たり前の順序で政策を実践してほしい。財務省が策を練ったトラップを時の内閣が実行するとういう悪しきシステムの崩壊こそが日本再生の近道であることを国民は気づき始めている。


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