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国民生活無視の消費増税、中小零細企業は今後に不安


6月15日「社会保障と税の一体改革」をめぐる修正協議で、民主・自民・公明の3党で最終的に合意した。税制の分野は2014年4月に8%、15年10月に10%の二段階での増税が合意されたが、低所得者を対象とした「現金給付」や、野党が求めていた生活必需品などの税率を低く設定する「軽減税率」については、「財源の問題など総合的に検討する」としており、実質的な先送りとなった。一方、社会保障の分野では、民主党がマニフェストで掲げた「最低保障年金」や「後期高齢者医療制度の廃止」については、今後「国民会議」で議論するとしており、事実上の棚上げとなった。結局、国民の老後に直結する社会保障や、弱者救済のため措置は何も決まらず、消費増税だけが先行して決まり、国民生活は無視された格好だ。

そもそも消費税の税率アップは税収を上げるために行われているはず。しかし、こうした片手落ちの決定では、将来不安は解消されていないことから、ある程度生活に余裕のある層でさえ消費マインドが冷え込み貯蓄を優先する。従って、内需の拡大やデフレ解消にはつながらず、経済全体に悪影響を及ぼす。体力のある大企業は内部留保の取り崩しや、取引先、下請け会社といった立場の弱いところにツケを回す形で生き残れるだろう。しかし、この悪影響を受ける個人商店や中小零細企業は回避できず、ここで働く経営者や従業員の所得低下に結び付く。このような悪循環の経済構図では、税率がアップしても税収が上がらない皮肉な結果になる可能性が強い。

今回の消費増税は政治家、役人など税金を財源として生計を成り立たせている公人、消費増税のアップ分を超越するだけの既得権益に守られている面々、消費税が還付される大手輸出企業以外の多くの日本人にとって、経済面でのマイナスが拡大する恐れがある。

消費増税よりも先行して、行政改革の徹底による無駄遣い撲滅、一部の人だけが恩恵を受ける既得権益の撤廃などを実践すべきだ。国民の多くが感じている不公平感をなくすことが最優先課題だ。また、増税前の今でも消費税を滞納している中小零細企業も数多くあり、これらの弱体化している法人に何らかの救済措置を実施すべきだ。

 

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