政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。

アベノミクスに対し一定の評価と限界  


 先月に引き続き、アベノミクス効果で円安、株高が続いている。先週末に外国為替市場で円相場がドルやユーロに対し、やや円高にふれたことを受け、株式市場(日経平均11,173円2月15日終値)も下落したが、この数年の低迷相場と比較すると、いまだに好調を維持している。一連のアベノミクス効果で、輸出企業、証券会社に加え、株式の持ち合いをしている大企業などは年度末の決算を前にして多大な恩恵を受けた。さらに、今まで閑散としていた不動産取引についても活発化してきた。(不動産ブローカー筋)このようにアベノミクスは一定以上の効果があった。一方、前回のこのコーナーでもふれたが、輸入産業は急激な円安に苦慮し始めている。電力会社のように地域独占が認められ、消費者が選ぶ権利がない場合、国さえ値上げを認可すれば簡単に転嫁できるが、それは特殊なケースであり、一般の業界では同業他社が存在し、消費者が選ぶ権利を有しているので、そう簡単に原材料の値上げ分を消費者に転嫁できない‐という現実を忘れてはならない。

 全ての業界がスムーズな値上げを実践できる環境を整え、デフレを克服するためには、やはり労働者の賃金アップは必要不可欠。コンビニ業界の雄ローソンが3%の賃上げを発表したものの、あくまでも一部の企業であって、全体に波及しているわけではない。こうした賃上げ機運が全体に波及するまでの期間は、内需型の企業はマージンを目減りさせて体力勝負に持ち込むか、消費者の理解を得られない無謀な値上げに持ち込む以外方法がない。従って、内需型企業と労働者(消費者)の双方がアベノミクス効果の恩恵を受けられるのは数年先であり、今回のミニバブルが崩壊すれば、何も恩恵を受けられない可能性もあることを指摘したい。

この間、いわゆる高齢者に多くみられる富裕層が、預貯金を何らかの形で消費行動に結び付ける−というのが政府の狙いの一つだが、一時的に相場が好転しただけでは消費に直結することは、あまりにも安易な考え方−という見方もある。数人の高齢者で富裕層の方々にアベノミクス効果で預貯金を消費に回しますか?と取材をしてみた。その答えは残念ながら「NO」、その理由を尋ねると、バブル崩壊以降、多くの政策で国からは裏切られ続けている。例えば、「消えた年金問題」、「高級官僚の天下り」、「3・11以降の放射線漏洩の発表」、もう国の言うことは信用できない−と指摘した。確かにこの三例とも、政府関係者の誰一人として責任をとっていない。さらには国民が納得できる今後の方向性すら不透明だ。国民が将来の不安を払拭し安心して消費をするためには、日本国(政府)が国民からの信用を取り戻さなければならない。補正予算も重要だが、国を司る官僚が襟を但し、それを指導していくのが政治家の本来の仕事であり、日本復権の近道でもある。

 

 

 


バックナンバー 
30 29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1



会社案内個人情報著作権リンクポリシー
本ページに記載の記事・写真などの無断転載を一切禁じます。
著作権は泣}ジカルネットワークまたはその情報提供者に帰属します。

Copyright (C); 2012,
Magical Network Inc. All Rights Reserved.