政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。

夏の参院選を前に第一弾


参議院不要論は国民の声
だが投票棄権は心無い政治家の思うつぼ

 

 

 先ごろ行われた東京都議選は自民党圧勝、民主党惨敗という結果となった。自公は候補者全員が当選した。一方、民主は議席数で共産党にも抜かれ議会第4党に転落した。共産とみんなの党が躍進したのは、自公に対してアレルギーを持つ有権者の受け皿となった。共産が議席を伸ばしたのは、消費税増税、原発反対といった層の票を取り込んだようだ。みんなの党に投票したのは、自民党では支持団体とのしがらみがあり、既得権益を打破する事はできない−とアベノミクスの成長戦略に不信感を持つ層だとも分析できる。両党とも方向性は異なるが、政策がぶれないという共通点がある。

 国会に目を向ければ、参議院で安倍首相の問責決議案が可決され、電気事業法の改正、生活保護法の改正などの重要法案が廃案となるとともに国会が閉幕し、参議院選挙モードに突入した。重用法案が廃案になったことは国民にとって嘆かわしい現実。しかしながら、与党自民党の幹部は「ねじれの構造が原因」と主張、参議院でねじれの解消を訴え選挙戦を有利に運ぼうとしている党利党略だけが見える。今国会で重要法案を本気で通す心づもりがあれば、問責よりも重要法案の採決を先に行えば、民主の賛成も得られ法案は可決されただろう。こうした国民不在で政局重視の政治を行っていると、各党の参院選の思惑とは裏腹に、国民世論はどの政党や候補者を選ぶということより、参議院の存在に疑問を持ち、不要論に結び付くのではないか。現に6月29日の日本テレビ系報道番組で実施した視聴者電話アンケートでは、参議院の不要については84%という驚愕的な数値を示した。こうした厳しい世論を全ての国会議員は真摯に受け止めなければならない。

 第二次安倍政権が発足して半年が経過した。今回の選挙はこれまでの安倍政権に対する評価という側面もある。金融緩和をきっかけとした円安・株高、株価の乱高下などばかりが目立った半年だった。その反面、エネルギー、食品など円安の影響で、生活必需品の値上げラッシュが始まった。消費税増税が刻一刻と近づいている中、昨年の衆院選前に安倍首相と野田元首相が国民に対し、約束した議員定数の削減については先送りされた。福島原発事故の収拾も道半ばでありながら、再稼働を容認するムードも漂っている。また憲法改正の是非論、尖閣問題、社会保障など争点は多様化しており、受け手である有権者の個々の価値観や優先順位によっても判断が異なるだろう。

 参議院が不要だからといって、私たち有権者が投票行動を放棄したら、それこそ心無い政治家の思うつぼだ。新聞やテレビだけではなく、ネットも含めた多様なメディアから情報を集めて分析し、国の将来、自分や子孫のために投票をしてもらいたい。有権者は必ず投票を行い、都議選(43.5%過去二番目に低い)のような低い投票率の参院選だけは回避したい。次号は夏の参院選を前に第二弾として、経済、規制緩和について焦点を当てたい。

 

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