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 東京オリンピック開催決定

 浮かれるだけではなく懸念材料にも注視すべき


2020年夏季オリンピックの開催が東京に決定してから1週間以上が経過した。その間、大手メディアは莫大な経済効果が期待できる−という趣旨の報道が圧倒的に多く、オリンピック開催が東京に決まったことだけで、日本が抱える全ての問題が解決し、バラ色な未来が待っている−と錯覚さえしてしまう。確かに決定後、株式市場も過熱し1週間で日経平均株価は約700円上昇。そのけん引役となったのは建設・陸運・不動産などいわゆるオリンピック銘柄で、これから一定以上の経済効果があることは事実だろう。

 しかし好材料だけではなく懸念材料があるのも現実だ。東京周辺のインフラ整備を実施するため、莫大な予算を投じて公共事業が活発になるだろう。首都高速道路羽田線の修繕など、オリンピック開催の有無にかかわらず必要な事業はどんどん前倒しでやるべきだと思う。競技場や選手村など開催にあたり必要な工事は行わなければならない。だが、リニア中央新幹線開業の前倒しを国が新たな予算をつけたり、オリンピック開催とは直接関係がない道路整備などの公共事業に予算をつけたりすることは行うべきではない。先ごろの震災復興予算の流用をみると、オリンピック関連でも同様なことが起きることも否定できない。

 現状でも東京一極集中で地方が置き去りになっている。オリンピック関連の予算が執行され、東京都心部だけは地価が上がり、観光客が増加、小売店の売り上げも伸びることが予想されるが、その効果が地方の隅々まで波及するとは考えづらい。外国人観光客に人気がある京都、東京周辺の温泉地、世界遺産に登録された富士山など国内でも有数な行楽地は恩恵を受ける地域もあるが、こうした地域は一部であり、ほとんどの地方が蚊帳の外に置かれるだろう。従って、東京と地方の格差がさらに拡大する可能性が高い。

 アルゼンチンのブエノスアイレスでIOC総会の最終プレゼンテーションが行われ、その中で安倍首相が福島の汚染水問題で「状況はコントロール下にある。港湾内0.3キロu範囲内で完全にブロック」という趣旨のプレゼンを行ったが、現状とは程遠い内容に違和感を覚えた人も多かったのではないか。しかし、一国の首相が国際的な公の場で発言したことは非常に重く、容易に撤回することはできない。従って、汚染水問題をIOC総会での発言通り、コントロール下に置くため最大限の努力を行い、結果を出さなければならない。このため、東電任せではなく、政府が積極的に介入することは重要だ。日本国が一丸となって汚染水問題を解決するため、財務体質がぜい弱な東電の破たん処理を行い、多くの国民が納得できる環境を整えた上で、税金を投入し早期解決の道を歩んでほしい。

 

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