政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。

 

米国発債務上限引き上げ問題が各国市場に飛び火



米国の国力低下が世界経済にも悪影響

  
 米国の暫定予算不成立による一部政府機関の閉鎖、さらには予算執行のための債務上限引き上げ問題などが原因で、米国の株式市場を中心に下落傾向が続いている。こうした市場の下落は米国だけに止まらず、日本・ユーロ圏・新興国など世界各国に飛び火している。これについて専門家の意見を集約すると、オバマ政権の目玉であるオバマケア(医療制度改革)問題に象徴されるように、政権側にとっても野党共和党にとっても妥協できない高いハードルがあるものの、米国の議会が自ら自国の信用を失墜させるデフォルト(債務不履行)は回避するだろう。過去にもこうした問題があったが、ギリギリのところで回避している。今回の市場の下落はあくまでも政治問題で、与野党の間で政治決着がつけば、相場は上昇に転じる―というのが大方の見方だ。

確かに上記のような考え方は正しいと思う。しかしながら今回は様子が違う面もある。まずオバマ政権発足以降、最大の危機であり、大統領自身の求心力低下は否定できない。こうした背景には、民主党・共和党の一部議員が次回の選挙で当選するため、支持母体の意見を忠実に反映させなければならない事情があげられる。また日本の政治システムとは異なり、党議拘束がない事も一因だ。さらに先頃、シリアへの軍事介入を断念しロシアの譲歩案に乗らざる得ない現実をみると、世界の警察と呼ばれていた米国の力による支配に陰りが見えたことを忘れてはいけない。(石油ネット松本利秋氏の連載ザ・ポイント今月号参照)今後、こうした世界規模のパワーバランスの変化が経済にも大きな影響を与える可能性が強い。

従って、今回の米国発債務上限問題は今月中旬(Xデー10月17日)には解決するという見方が有力だが、一方では下旬以降まで伸びるという噂もあり、アメリカ議会の動向を注視しなければならない。万が一にも米国がデフォルトという事態に陥れば、リーマンショックとは比較にならないダメージがあることは確実だ。日本国もアメリカの国債を大量に保有していることから、各種市場に加え経済全体に悪影響を及ぼす危険性があることを認識しなければならない。

 

バックナンバー 
  
2013年9月16日東京オリンピック開催決定浮かれるだけではなく懸念材料にも注視すべき
2013年8月9日 重要な課題を残して臨時国会が閉幕巨大与党に驕りはないのか
2013年7月14日 夏の参院選を前に第二弾 規制緩和の敵は自民党内にあり
2013年6月30日 夏の参院選を前に第一弾、参議院不要論は国民の声 
2013年6月8日 アベノミクスから安倍バブルに名称がかわるのはいつ頃か 株式市場は
2013年5月10日 GW期間の閣僚外遊を評価、高支持率の安倍内閣に既得権益の打破を期待
2013年4月25日 えっ、消費税還元セール禁止?消費者は安値を支持、デフレ脱却は遠い道のり
2013年3月23日 TPP交渉参加を参議院選前に決断、経済以外の効果の可能性
2013年2月17日 アベノミクスに対し一定の評価と限界
2013年1月21日 アベノミクス効果の「明と暗」、法人も個人も業界も自立の覚悟を
28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1



会社案内個人情報著作権リンクポリシー
本ページに記載の記事・写真などの無断転載を一切禁じます。
著作権は泣}ジカルネットワークまたはその情報提供者に帰属します。

Copyright (C); 2013,
Magical Network Inc. All Rights Reserved.