政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。

 


特定秘密保護法の強行採決は巨大与党の驕り

外交・安保政策に限定すべき法案

 

特定秘密保護法案は12月6日の深夜、参議院本会議場で自民、公明両党の賛成多数で可決・成立された。この法案の成立過程をみると、「なぜそんなに急ぐのか?」という疑問と、巨大与党の強行採決に対し、「安倍政権に白紙委任状を渡した記憶はない」と思った国民も多かっただろう。確かに昨年の衆院選と今年の参院選で大勝し、安倍政権が信任されたのは周知の事実だが、与党に投票した国民の多くはアベノミクスを主とした経済対策を支持したのであり、この法案の成立を支持したものではない。

安倍首相は直近の二つの選挙期間中の演説でも今国会の所信表明演説でも、特定秘密保護法案の成立については殆ど触れていない。従って、この法案を可決するにあたって丁寧な説明が必要である。その義務を果たさずに強行採決を行うようでは国民の理解は得られない。この強行採決が引き金となり、安倍政権の支持率が低下する可能性が強く、安倍政権の勢いが終息するターニングポイントになるような気がする。

特定秘密保護法案は何らかの形で必要−という意見は各種のアンケート調査でも明らかだが、現状では「国民の知る権利」が置き去りにされている。欧米の同様な法案と比べ「情報公開」と「第三者機関の設置」という重大なことが欠如している。「第三者機関の設置」については、国会答弁の中で何らかの機関を設置するとしているが、その機関が内閣府や内閣官房の下部組織では、多くの国民が納得できないだろう。

最近、中国が尖閣諸島を含む空域に突如防空識別圏を設置し、近い将来、南シナ海にも新たな防空識別圏を設置することが確実視されている。こうした状況下、日本の安全保障上、日本版NSCや特定秘密保護法案が必要であることは理解できる。安全保障上とても重要な特定秘密保護法案であれば、法案の中身を曖昧にすることで間口を広げるよりも、外交と安全保障に限定し、その権力を行使できる省庁も外務省と防衛省に限定するのも一つの方法である。国会前を始め各地でデモが発生し、文化人や著名人に加え、自民党の大物OBまでもが特定秘密保護法案に疑問を投げかけている。この状態のまま同法案を運用しても、日本国民が一丸となって中国の暴挙に対抗することはできない。より一層の説明を行い、国民の理解を得る必要がある。

バックナンバー 
  
2013年11月9日 小泉元首相の原発ゼロ発言で波紋広がる
2013年10月7日 米国発債務上限引き上げ問題が各国市場に飛び火
2013年9月16日東京オリンピック開催決定浮かれるだけではなく懸念材料にも注視すべき
2013年8月9日 重要な課題を残して臨時国会が閉幕巨大与党に驕りはないのか
2013年7月14日 夏の参院選を前に第二弾 規制緩和の敵は自民党内にあり
2013年6月30日 夏の参院選を前に第一弾、参議院不要論は国民の声 
2013年6月8日 アベノミクスから安倍バブルに名称がかわるのはいつ頃か 株式市場は
2013年5月10日 GW期間の閣僚外遊を評価、高支持率の安倍内閣に既得権益の打破を期待
2013年4月25日 えっ、消費税還元セール禁止?消費者は安値を支持、デフレ脱却は遠い道のり
2013年3月23日 TPP交渉参加を参議院選前に決断、経済以外の効果の可能性
2013年2月17日 アベノミクスに対し一定の評価と限界
2013年1月21日 アベノミクス効果の「明と暗」、法人も個人も業界も自立の覚悟を
28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1



会社案内個人情報著作権リンクポリシー
本ページに記載の記事・写真などの無断転載を一切禁じます。
著作権は泣}ジカルネットワークまたはその情報提供者に帰属します。

Copyright (C); 2013,
Magical Network Inc. All Rights Reserved.