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大手企業のベースアップ相次ぐ


景気好循環の鍵は今後の消費動向

 

今年の春闘は久しぶりの「ベースアップ」回答が相次いでいる。3月12日(春闘の集中回答日)、自動車大手各社は6年ぶりのベアを実施。トヨタ自動車は月額2700円、日産自動車は月額3500円の満額回答。電機メーカーではパナソニックが6年ぶりの月額2000円、鉄鋼最大手の新日鉄住金は14年ぶりの月額2000円の実質的なベアにあたる賃金改定を実施した。一方、国内の大勢を占める中小零細企業は従業員の賃上げを実施する余裕はないのが現状だ。やはり本格的な景気回復は中小零細企業で働く人々や、非正規雇用者も含めた所得上昇が必要不可欠と言えよう。

安倍首相がこれまで訴えてきた“景気の好循環”を生み出すためには、先に経済的な恩恵を享受した人たちが率先して「消費をけん引」し、全体に経済効果を波及させなければなければならない。しかし、「消費のけん引」と言えば聞こえはいいが、必要以上に高価な商品を購入したり、まだ使える物を処分し新しい物を購入したりすることは、言葉を変えれば「無駄遣い」である。果たして良識のある日本人が「無駄遣い」を率先して行うかは疑問である。

来月から実施される消費税増税は間違えなく消費の足かせとなる。大手メディアの調査によると、今回の増税を節約して乗り切ると回答した人が70%〜80%と圧倒的に多く、増税分を乗り越えて活発な消費活動が行われるかは定かではない。先行してアベノミクスの恩恵を受けた人々は富裕層が多く、住宅などの不動産、自動車などの高額商品、まして家電などの必需品は既に所有しており、昭和時代の高度成長のような好循環は期待できないだろう。

さらに、円安の負の部分である電気代などエネルギー価格の上昇は中小零細企業の製造コストに重くのしかかる上、一般家庭の家計を直撃している。また、ウクライナ情勢の悪化、タイの反政府運動の長期化、東アジア情勢といった地政学的リスク、中国の景気悪化懸念も加わり、既にリンクされている世界経済の状況は楽観視できない。こうした厳しい状況下、4月以降の消費動向と世界情勢から目が離せない。

 

 

 

 

 

 

 

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