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朝日新聞の「慰安婦検証記事」で波紋


記者会見開催は最低限の責務 

 

朝日新聞社は8月5日、6日付けの紙面で従軍慰安婦報道に関する検証記事を掲載。一連の報道の一部を取り消した。これを受けて各界から様々な非難の声が高まり、政界からは安倍首相は8月8日付の産経新聞の単独インタビューで「報道によって多くの人たちが悲しみ苦しむことになった」「そうした結果を招いたことへの自覚と責任感の下、常に検証を行うことが大切だ」と評した。また橋下徹大阪市長は検証記事を批判。8月6日の登庁時会見では「見事に自分を正当化してるじゃないですか。『読売新聞や産経新聞も同じように報じてたんじゃないか』と。あれを付け加えたことによって、あの検証記事は台無しなりましたね」と厳しく指摘した。


 自民党の石破幹事長は「これだけ大きな地域の平和と安定、あるいは地域の隣国との友好、国民の感情に大きな影響を与えてきたことですから、検証というものを議会の場でも行うということが必要」「真実がなんであったのかということを明らかにしなければ、これから先の平和も友好も築けない」「書かれた社の責任としてその責任を果たされたい」と国会招致にも言及した。一方、民主党の海江田代表は「報道の自由もあるから政治が過度に介入すべきではない」と牽制した。


 国会招致について自民党と民主党執行部では考え方に隔たりはあるが、三十二年間の誤報の放置によって、日本国民に加え韓国国民、日韓関係に甚大な損害を与えた事実は否定できない。国会招致は議会の判断に委ねられ、今後の推移を見守るべきだが、朝日新聞社は検証記事を掲載するだけでは不十分であり、最低でも経営陣、編集局の責任者など然るべき立場の人が記者会見を行うべきである。政治家などの公人、企業の不祥事などが発覚した場合と同様な措置を行い、全世界の人々に与えた誤解を釈明すべきである。もちろん、インターネットを通じて日本語だけではなく、英語、韓国語など可能な限りの言語で配信しなければならない。朝日新聞は記者会見や国会招致など説明責任の責務を果たさない限り、新聞社いやメディアとして存続するのは難しいのではないか。今後、何らかの不祥事が発覚した際の記者会見で、朝日新聞の記者は質問をする資格を失った−と行っても過言ではない。奇しくも同時期に発覚した外食チェーンで無銘柄の和牛を松阪牛や佐賀牛と偽り販売していた会社も記者会見を開き、謝罪と説明責任を果たそうとしている。確かに食品の産地偽装も決して許されない行為だが、それ以上に朝日新聞が与えた国益の損失は計り知れない。仮に、私が不祥事を起こした企業の経営者で会見を開いた場合、朝日新聞の記者からの質問には答える必要がない−と迷わず回答するだろう。こうした状況では、今後、朝日新聞は正当で公正な取材活動が行えなくなる可能性が高まるのではないか。さらには、経済界の一部からは朝日新聞への広告掲載の中止を検討するところも出始めた。また、8月5日の検証記事掲載以降、朝日新聞の購読中止が止まらない−という噂もでている。


 今後この問題を朝日新聞は記者会見の開催など、どう幕引きをするのか−注目するとともに、今回の誤報で新聞に記されていることを全て鵜呑みにしてはいけない−と国民は認識しなければならない。



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