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政府主導により農協60年ぶりの改革

税制優遇など多々残る問題点



先頃、政府・自民党の農協改革案についてJA全中が受け入れた。主な内容としては、全中が持つ監査・指導権を失くし、2019年3月末までの一般社団法人化に転換する。これまで全国約700の地域農協は監査費用として、強制的に全中へ約80億円の賦課金を納めていた。今後は地域農協が監査について、一般の監査法人か全中の流れを汲む監査法人か、どちらかを選べることが可能となった。



 一方、独禁法の適用除外、固定資産税の免除、安い法人税といった全農の既得権益にはメスが入らなかった。各都道府県の中央会についても農協法から外すという構想もあったが、佐賀県知事選挙の自民党・公明党推薦候補の敗北や次回の参院選を見据えたのか?農協法上の「連合会」として存続することとなった。さらに、准組合員のJAサービスの利用制限は先送りされ、JAバンク・JA共済などの黒字事業は温存された。



 今回の改革に対し60年ぶりの大改革だと賞賛する声と、このような中途半端な改革では対処できないほど日本の農業の現状は深刻だ−という両論があるが、双方の意見とも正しいと思う。岩盤規制の代名詞ともいわれている農協組織に風穴をあけた事は、改革の第一歩としては評価できる。しかし、業界団体の選挙支援を受ける自民党では改革推進に限界がある。安倍首相が本気で改革を断行する意思があっても、自民党という組織ではできないだろう。



肝心なことは組織改正よりも、農家所得の増加、輸出も含めた市場規模の拡大などにより、日本の農業を再生させること。消費者が安価で良質な農産物を購入できること。また、JAが持つ既得権益を全廃し、金融や保険、石油製品の販売など全てのビジネスにおいて、他業界とのルール上の公正性を確保しなければならない。簡単に言えば税制の優遇などを維持しながら、農業以外の事業で競争する事は明らかに不公平である。今後メディアの報道を通じて、国民は上辺だけの改革か本物の改革かを見極めなければならない。


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