政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。



株式市場が波乱の幕開け

国民の年金は大丈夫か

 

 

新年明けましておめでとうございます。石油ネット閲覧者の皆様、今年も宜しくお願いいたします。

 年明け以降、東京株式市場では日経平均株価が6営業日連続の下落。その後1月13日はプラスに転じたものの、14日、15日も値下がりしており、昨年末12月30日の終値19,033円と比べ2000円弱値を下げ、1月15日の終値は17,147円。こうした株価の下落は国会でも取り上げられ、民主党の山井和則衆議院議員は「今、株価も下落しております。昨年7月から9月は14%下がり約8兆円の年金の運用損が出ており、今回はその半分の約7%、約4兆円の年金が、この4日間で運用損になっている可能性がある。」と指摘。同じく民主党の大串博志衆議院議員は「5日連続の下落です。株式市場とはかくなるもの。このリスク資産に、GPIF、国民の大切な年金の資産、積立金を50%に至るまで投資する、運用をするという事が、本当に正しい事なのか。」と質問。これに対し安倍首相は「長期的に見れば、旧ポートフォリオを維持した場合と比べ、年金財政上、必要な積立金を下回るリスクは少なくなったと理解しています。」「長期的な観点で評価すべきものだ。」と反論した。

 安倍首相の反論にあるように投資や資産運用は長期的な観点で評価するべき−ということは一理あるが、それはあくまでも公金ではなく、個人や法人投資の場合である。安倍政権の方針でGPIFが運用する約135兆円の公的年金の積立金を、ローリスク・ローリターンの国債での運用からハイリスク・ハイリターンの株式等の投資への割合を増加し、現在は50%を目安に国内と海外の株式に投資している。しかし、その原資は国民が安心した老後を暮らすための年金である。国民的な議論が行われないまま、塩崎厚労相や厚労省の役人が勝手に決めることではない。安倍政権は増額した株式投資のリスクを国民に対し説明する義務がある。旧ポートフォリオでの運用では国民の年金を将来に渡り確保できない。だから株式比率を高くする−という理論だけでは、家計が苦しいからギャンブルで賄う−という無茶苦茶な理論とあまり変わりはない。

 銀行などの金融機関でFXなどの金融商品を購入する場合、金融庁の指導で「この商品は元本が保証されない」等のリスクを説明され、必要書類にサインをさせられる。証券会社での取引に慣れている投資家にとっては、説明を聞くのも面倒くさい退屈な時間ではあるが、それがルールである。先に記したようにGPIFが運用する積立金は国民の年金である。これまでの政府の説明は不十分であり、最悪の事態について詳細な説明をするべきだ。

 確かにGPIFの巨額な積立金が市場に流れれば株価が上昇する。まして自分が投資している株式が値上がりすれば、喜ぶのはすべての投資家が同じであろう。しかし、年金は老後のためのセイフティネットであり、25年以上の投資経験のある筆者でさえ堅実な運用を求めている。旧ポートフォリオで運用を続けても、グリーンピア事業など社会保険庁時代の無駄遣いの穴が埋められないのであれば、年金機構の職員が入居できる無駄な住宅の売却、自民党が政権を奪還してから復活したダム建設や整備新幹線の予算、昨年表面化した国立競技場をはじめオリンピック関連の無駄遣いを年金の不足分に、充当させた方が多くの国民の理解が得られると思う。



バックナンバー 
  
2015年12月20日 軽減税率は導入、臨時給付金は了承 来夏の参院選を見据えバラマキ開始
2015年11月16日 安倍政権臨時国会見送りを決定 重要案件をなぜ審議・説明しないのか
2015年10月17日 アベノミクス第一ステージの検証急務 トリクルダウンは起きなかった
2015年9月20日 違憲性が極めて高い安保法案が強行採決 対する国民は来年の参院選でリベンジ
2015年8月20日 いったい昨年12月の総選挙は何だったのか?「こんなはずではなかった」というのが国民の本音
2015年7月21日 安保関連法案衆院を通過 議論が深まるとともに安倍政権の支持率下がる
2015年6月16日 安保法制国会が空転 大多数の憲法学者が違憲と判断
2015年5月16日 日米同盟強化に一定以上の評価 遅れる安保法制の国内議論、沖縄基地問題の動向に注視
2015年4月15日 維新の党は上西議員をスピード処分 統一地方選の影響は最小限
2015年3月15日 国民は「政治とカネ」の問題にウンザリ 迅速に企業・団体献金の全面禁止を
2015年2月15日 政府主導により農協60年ぶりの改革 税制優遇など多々残る問題点
2014年1月23日 岡田民主党の執行部人事決定 真の改革政党を目指すか、そうでないか方針を示せ
2014年12月19日 衆院選は52%の低投票率で自公大勝 与党の補完勢力と思われる野党は敗北
2014年11月19日 21日衆院解散・消費税増税は延期 「大義なき解散」でも国民は投票行動を
2014年11月11日 金融緩和第二弾で円安・株高が進行 アベノミクスのリスタート
2014年10月14日 アベノミクスで恩恵を受ける人・受けない人 円安為替マジックに騙されるな
2014年9月14日 4月〜6月期GDP年率換算7.1%減 個人消費に暗雲どうなる消費税の再増税
2014年8月16日 朝日新聞の「慰安婦検証記事」で波紋 記者会見開催は最低限の責務
2014年7月12日 地方議員のレベル低下に愕然 報酬、活動費など抜本的な改革が必要
2014年6月12日  維新分党「野党再編」の一歩 「既得権益打破」の新党に期待
2014年5月17日 「集団的自衛権の行使」容認に対する様々な論点 国民の理解度と法的整合性を高めることが必要
2014年4月10日 増税は実施されたが…これまでの約束は守られたか?
2014年3月13日 大手企業のベースアップ相次ぐ 景気好循環の鍵は今後の消費動向
2014年2月24日 消費税増税前に外税方式を散見 外税は円滑な増税転嫁と納税意識の向上に一役
2014年1月22日 細川元首相が都議選に立候補を表明 原発ゼロの元首相コンビに吹き始めた無党派の風
2014年1月1日 2014年本格的な景気回復への課題
2013年12月8日 特定秘密保護法の強行採決は巨大与党の驕り
2013年11月9日 小泉元首相の原発ゼロ発言で波紋広がる
2013年10月7日 米国発債務上限引き上げ問題が各国市場に飛び火
2013年9月16日 東京オリンピック開催決定浮かれるだけではなく懸念材料にも注視すべき
2013年8月9日 重要な課題を残して臨時国会が閉幕巨大与党に驕りはないのか
2013年7月14日 夏の参院選を前に第二弾 規制緩和の敵は自民党内にあり
2013年6月30日 夏の参院選を前に第一弾、参議院不要論は国民の声 
2013年6月8日 アベノミクスから安倍バブルに名称がかわるのはいつ頃か 株式市場は
2013年5月10日 GW期間の閣僚外遊を評価、高支持率の安倍内閣に既得権益の打破を期待
2013年4月25日 えっ、消費税還元セール禁止?消費者は安値を支持、デフレ脱却は遠い道のり
2013年3月23日 TPP交渉参加を参議院選前に決断、経済以外の効果の可能性
2013年2月17日 アベノミクスに対し一定の評価と限界
2013年1月21日 アベノミクス効果の「明と暗」、法人も個人も業界も自立の覚悟を
28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1



会社案内|個人情報|著作権|リンクポリシー
本ページに記載の記事・写真などの無断転載を一切禁じます。
著作権は泣}ジカルネットワークまたはその情報提供者に帰属します。

Copyright (C); 2015,
Magical Network Inc. All Rights Reserved.