政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。



第3次安倍再改造内閣がスタート


次回選挙までにアベノミクスの結果が求められる


参議院選挙、東京都知事選挙など夏の政治イベントが終わり、この時期はリオ・オリンピックの観戦、旅行など国内は夏休みモード一色だ。しかし、夏休みが終わると共に経済対策、憲法改正の議論など重要案件が目白押しだ。

先頃、第3次安倍再改造内閣がスタート。その顔ぶれは麻生氏、菅氏、岸田氏など主要閣僚が留任、高市氏、稲田氏、丸川氏などの女性閣僚は3名、初入閣が8名という布陣。安倍首相は「未来への責任を果たしていくことが最大の使命だ」と述べ、この再改造内閣を「未来チャレンジ内閣」と命名し、「最優先課題は経済」と強調した。前回の内閣改造時には「一億総活躍」、今回は「未来チャレンジ」とキャッチフレーズは前向きで聞き心地の良いネーミングだ。しかし、国民が安倍内閣に求めているのはアベノミクスの検証と改善策であり、お洒落なキャッチフレーズではない。

安倍内閣が最優先課題と位置づけた経済成長の底上げを実現するため、事業規模28兆円の経済対策を打ち出した。しかし、この政策はリニア中央新幹線の開業前倒し、整備新幹線の建設促進、大型客船が寄港できる港の整備など昔ながらの公共事業が目立っており、これまで歴代の自民党政権が行ってきた国の借金を増やす政策と何ら変わりはない。人口減少という致命的な難題を抱える日本経済を考慮すると、リニアが完成しても物珍しさと初物としての需要と既存の東海道新幹線利用者が移行するだけ。仮にリニアの運賃が東海道新幹線よりも著しく高い場合、定期的に移動する個人、企業は利用しないケースも想定できる。港の整備についても、大型客船をターゲットとして観光需要の促進を狙いにしているが、外国人観光客が国内での消費はイメージよりも、日本経済全体への貢献度は少ない。最近では為替が円高方向で推移していることから、外国人の消費が鈍化している現実も気掛かりだ。こうした景気刺激策は成功すれば税収が伸びる反面、失敗した場合、国の借金が増えることを忘れてはいけない。

東京オリンピック・リニア・港の整備と言うワードが並ぶと、リニアを新幹線に換えるだけで昭和の高度成長時代の政策と同じように見える。とても成熟した資本主義国家が実践する経済政策とは思えない。だが、安倍政権はこの政策を遂行するだろうし、それを選んだのは紛れもなく国民である。安倍自民党は「アベノミクスは失敗していない、まだ道半ば」という謳い文句で、これまでの国政選挙を戦い勝利してきた。「アベノミクスは道半ば」という言い訳はもう通用しない。次回の選挙では「アベノミクス」という経済政策の途中経過ではなく結果が求められる。即ち、一部の大企業や富裕層だけではなく、中小企業や庶民までもがアベノミクスの恩恵を受けている−と感じさせなければならない。今後、アベノミクスの結果に注目したい。




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