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政治利用された平昌オリンピック


大会後の米韓軍事演習などに注目


2月9日より平昌オリンピックが開幕。過去にもオリンピックの政治利用が取りざたされたケースはあったが、これほどまでに開催国が率先して政治利用したオリンピックは記憶にない。大会前半はアスリートや競技、開催国である韓国よりもギリギリの段階で参加を決めた北朝鮮の話題ばかりが報道された。まさに“ほほえみ外交”を含めた北朝鮮の宣伝活動にオリンピックが利用された格好だ。


韓国の文在寅大統領は平昌大会の成功、朝鮮民族の融和、自らの政治信条などが根底にあり今回の融和政策に至った事はある程度理解できるが、その代償として失ったものは余りにも大きい。純粋にスポーツの祭典を楽しみにしていた世界中の人々はオリンピックの政治利用に呆れている。一方、オリンピックへの関心よりも朝鮮半島の非核化を重視している人々はタイミングが悪い時期に大会が開催され、国連決議による経済制裁の効き目に水を差している。北朝鮮に核・ミサイル開発の時間を与えている。双方とも文大統領の北朝鮮参加についての判断と、それを受け入れた国際オリンピック委員会に疑問を呈している。


 韓国国内では保守派議員を中心とした北朝鮮に対するデモが活発化している。今後、文政権が北朝鮮に対し譲歩すればするほど保守派の国民との溝が拡大し、国内世論が親北と親米に別れるだろう。こうした韓国世論の分断が北朝鮮の“ほほえみ外交”の狙いの一つだ。仮に韓国が北朝鮮の核保有を黙認したまま半島統一を模索した場合、北朝鮮が主導権を握るだろう。政治体制、価値観、経済観念などが異なる国同士の統一が成功するとは思えない。さらに韓国の安全保障政策を見ると、日米関係と同様にしてアメリカ軍の存在なくして成り立たないのが現状だ。従って、文大統領の北朝鮮に対する融和政策は限界を迎える。これに加え、米韓同盟の今後にも多大な悪影響を及ぼす可能性もある。先頃、アメリカのペンス副大統領が米紙ワシントンポストのインタビューで、まず韓国が北朝鮮と対話した後、前提条件なしで米朝対話が行われる可能性を示唆した。この報道でアメリカの北朝鮮に対する厳しい姿勢が軟化した−との分析もあるが、そうではなくアメリカの北朝鮮への最後通告と考える方が妥当だ。その理由として、これまでも米朝対話は水面下で行われ、アメリカの意思を伝えるだけであれば既に機会はあったはずだ。さらに、アメリカが北朝鮮に対話姿勢を見せることで、国際世論に対し武力行使をするための環境整備を進めている−という深読みもできる。


 一連の北朝鮮の核・ミサイル開発はオリンピック開催中も水面下で着々と進行しており、オリンピック・パラリンピック終了後、平昌大会中の南北融和という幻から一転して現実に戻らなければならない。米韓軍事演習の開催、北朝鮮から要望があった平壌での南北首脳会談の実現、その後の米朝会談の有無などから目が離せない。




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