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安倍一強の弊害が顕著


森友、加計、共謀罪、憲法改正


 政権発足から約四年半が経過した安倍政権。政権を奪還した2012年の総選挙から昨年夏の参院選挙の大勝を含め、国政選挙4連勝と政権基盤が安定している。反面、安倍一強による弊害が目立ってきた。森友問題にしても財務省や国交省のこれまでの説明では大多数の国民は納得できていない。籠池氏が国会で証人喚問に応じた事に対し、安倍昭恵総理夫人は証人喚問や参考人招致は疎か公の場で会見さえ行っていない。この問題で安倍首相や昭恵夫人が関与したのであれば、首相自身が国会で答弁をしたように首相や議員を辞職するのは当然の事。仮に直接的な関与がなくても、少なくとも当該案件を担当した役人が“忖度”をしたのは明白である。その理由として、籠池氏の思惑だけでは国有地の8億円の値引きや大阪府私学審議会の「認可適当」という結果が得られるはずがない。さらに、野党が財務省に要求した資料が黒塗りだらけのいわゆる“のり弁”であったり、強力な政権基盤を持つ安倍首相が役所に真相究明の働きかけが足らなかったりすることは紛れもない事実だ。さらに、安倍首相に極めて近い間柄である友人が理事長を務める「加計学園」の獣医学部新設問題も急浮上している。民進党が国会で明らかにした文書や朝日新聞がすっぱ抜いた文書は衝撃的な内容でこれらの文書の真偽を含め、今後の展開から目が離せない。

 安倍一強の弊害は他にもある。5月8日の衆院予算委で憲法改正に関する野党の質問に対し、安倍総理の発言「自民党総裁としての考え方は相当詳しく読売新聞に書いてありますから、それを熟読していただきたい」と述べた。この発言はあまりにも乱暴であり、野党は勿論、与党内からも反発を招いた。安倍首相の説明の中で、総理と自民党総裁は立場が違うので国会内で総理として発言するのは適切でない−という主旨はある程度理解できる。しかし現在の自民党総裁は総理であり、野党の党首とは立場が違う。憲法改正という国民にとって極めて重要な案件であり、国会で総理として発言を差し控えるならば、党本部など国会以外の場所で会見を行い、質問の場を設けるべきだ。「読売新聞を熟読…」という答弁だけでは、民進党党首の蓮舫氏が指摘した通り、「総理・総裁は同人格だ。立場を使い分けるのは、あまりにも二枚舌だ」という発言をされても仕方がない。野党議員の質問は国民の質問であり、安倍首相は真摯に応える必要がある。

 国会運営についても安倍政権の強行ぶりが目につく。「テロ等準備罪」いわゆる共謀罪の法案が5月19日、衆議院法務委員会で採決され自民・公明の与党に加え日本維新の会の賛成多数で可決された。この法案はこれまでの刑法の考え方を根底から覆すもので、議論に議論を重ねた上で採決をすべき。この問題の担当大臣である金田法務大臣の国会答弁を一度でも見た人は、賛否以前の問題であり採決する段階ではないことは明らかだ。一昨年9月の安保法(安全保障関連法)の強行採決を彷彿させる。また、巨大与党をバックにしている政権の閣僚が野党議員の質疑に対し、あえて議論をかみ合わせない答弁で受け答えしているケースも目立つ。

 上述した安倍一強による様々な弊害は、これまでの国政選挙で安倍自民党に議席を与えすぎたのが原因である。当時、自民党に投票した国民の多くは道半ばであるアベノミクスを支持したもので、憲法改正や共謀罪成立のために議席を与えたわけではない。しかし、次の選挙まで国民の意見を反映させる機会はない。民進党を始めとした野党勢力が脆弱な現状では、心ある自民党・公明党の国会議員の健全なる“安倍おろし”に期待するしかない。




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