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野田総務相・河野外相らの起用で内閣支持率上昇



首相は低姿勢だが隠蔽体質は変らず



第3次安倍第3次改造内閣が8月3日にスタートした。今回の改造は麻生副総理兼財務相、菅官房長官ら内閣の骨格は維持した。一方、安倍首相にも“歯に衣着せぬ”発言ができる野田総務相、“原発廃止”など自身の考え方をしっかりと主張できる河野外相など、これまで安倍首相と距離感を保っていたベテラン議員を起用。「お友達内閣」「自民党内では自由に意見が言えない」といった世論を払拭する狙いがあった。安倍首相自らが命名した「仕事人内閣」の象徴という人事は斎藤農水相だ。同氏は経産官僚出身で自民党農林部会長、農水副大臣を歴任し農水はもちろん行政全般に明るい当選3回(小泉進次郎氏と同期)を抜擢した。


その結果、下がり続けていた内閣支持率に歯止めがかかり、各社の世論調査をみると5%から9%支持率が上昇した。これに伴い、不支持率も下降したが、不支持の理由として“安倍首相が信頼できない”という理由が今まで同様トップを占めている。このことからわかるように、今回の支持率回復は安倍首相に対する信頼回復ではなく、野田総務相、河野外相、斎藤農水相らの起用が国民から評価されたと分析できる。今回の改造は総じて評価できる反面、これまでの閣僚人事は安倍首相と周辺のための組閣で、いわゆる「お友達内閣」だったということを証明した格好だ。


今回の内閣改造会見の冒頭で安倍首相が約8秒間頭を下げ、これまでの政権運営に対する反省を述べた。安倍首相の殊勝な態度は先頃の閉会中審査から見受けられたが、今国民が一番求めているのは殊勝な態度よりも、首相を含めた関係閣僚が森友学園、加計学園、防衛相の日報隠しなど様々な問題に対し誠実に答弁をすることだ。これに加え、関係官僚に対し“記憶にない”“記録がない”といった国民を馬鹿にした答弁を改善させる事が何よりも重要。政治主導という旗印の下、各省庁の幹部クラスの人事権を掌握しているため、やる気になれば官邸主導で真実を詳らかにする事は容易だ。国民の疑問は「内閣府をはじめ関係省庁になぜ記録が存在しないのか?」東大など一流大学を卒業し各省庁の出世レースを勝ち抜いてきた高級官僚の幹部が「数年前の案件なのになぜ記憶にないのか?」といったシンプルな疑問だ。さらに先頃の国税庁長官の人事に象徴されるように「記憶にない、記録がない」と答弁し、国民に背を向け官邸を守り続けた官僚が出世してしまうシステムに憤りを感じている。官僚主導から政治主導に変化してきたこと自体を否定しているのではなく、時の権力者のために政治主導が悪用される歪なシステムから、国民全体に奉仕する本来の官僚の姿に戻るべきだ。


 8月10日PKO日報問題についての閉会中審査は衆院安全保障、参院外交防衛の両委員会で実施された。自民党の森山国会対策委員長は「国会の慣例を逸脱することには慎重であるべき」と述べ、残念ながら稲田元防衛相が欠席。稲田氏と共に辞任した防衛省の黒江前事務次官、岡部前陸幕長も欠席した。唯一参加した防衛省の辰巳審議官からは真相究明に繋がるような明確な答弁はなく、「特別防衛監察」を超える新たな事実は語られなかった。


加計学園問題について8月7日国会内で民進党の疑惑調査チームが、加計学園関係者が参加していたにも拘わらず、特区議事要否に記載されていないことを追求した。これに対し内閣府の塩見参事官は「加計学園関係者は説明補助者なので記載されていない」という主旨を答弁したが、国民側からは真相究明から逃げているようにしか見えない。この問題について菅官房長官は「ルールに基づいて行っているんじゃないでしょうか」と内閣改造前の国民から非難された頃の姿勢と何ら変っていない。


PKO日報問題、加計学園問題など官邸に取って不都合な案件は大臣が交代しても消極的な姿勢のままで、国民が納得するような真相究明には程遠い。結局、安倍首相の態度や大臣の顔ぶれは代わったが、隠蔽体質は何も変っていない。これでは一時的に支持率が上昇しても、長続きはしないだろう。今後、安倍政権の隠蔽体質が改善されない限り、政権への逆風は止まらない。




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