政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。



2018年の経済見通しは楽観的


地政学的リスクなどに懸念材料


 2018年はいったいどういう年になるのか?日本経済については、昨年から引き続き日経平均などの株価指数は上昇基調を堅持、その他の経済指標も概ね順調に推移している。メディアに登場する市場関係者の話を総合すると、年内に日経平均株価は2万5,000円以上、いや3万円台を狙える。企業業績も好調で決してバブルではない。米国の株価指数は好調を維持、今年に入りダウ平均は最高値を更新しており、日米以外の世界各国の景況感も概ね良好であり不安材料が見当たらない−といった景気の良い話しか聞こえてこない。

 こうした予測通りに経済全般が推移すれば何ら問題はないが、景況感に水を差す死角は存在する。それは米国トランプ政権の今後の動向だ。トランプ大統領が誕生してから一年が経過、その間米国の株式市場は上昇を続けた。トランプ政権は軍人とウォール街と密接な関係にある人々が中枢を占めている。仮にロシアゲート事件などで政権が揺らぐようなことがあれば、経済全般にも影響を与える可能性も否定できない。さらに、各国が実施してきた金融緩和の出口戦略を誤れば株価指数にも悪影響を与える。

 もう一つは地政学的リスクだ。中国の習近平主席、ロシアのプーチン大統領、サウジアラビアのムハンマド皇太子などはナショナリズムを前面に押し出し自らの政権基盤を確固たるものにするため、独裁主義的な色彩を強めている。

 やはり一番のリスクは北朝鮮という存在である。現在、平昌オリンピックの開催前で北朝鮮の参加について、韓国との対話が進行している。それに呼応するようにトランプ大統領は「韓国と北朝鮮の対話が進行している間、軍事行動は控える」という考えを明らかにした。一連の韓国と北朝鮮の対話は、報道でもある通り北朝鮮のペースで進行している。核保有国である北朝鮮が上から目線で韓国を手玉に取っているようにも見える。平昌オリンピックに北朝鮮が参加し、大会が成功を収めたとしても、韓国の文在寅大統領の思惑通りに朝鮮半島の非核化に北朝鮮が同意することはない。勿論、日米両政府も非核化が実現するとは思ってはいないだろう。今回の南北対話で韓国が得たものは、北朝鮮選手並びに関係者が参加することで安全な大会開催が確約された事ぐらいだ。一方、北朝鮮は経済制裁の一部解除など全てが思惑通りにならなくても3月18日のパラリンピック終了までの期間、あるいは南北対話が続いている間はミサイル開発や核開発を水面下で行うことが可能となったことと、韓国国民に対し同一民族である事をアピールすることで、日米韓の北朝鮮包囲網に楔を打つ事ができた−と分析できる。従って平昌オリンピック・パラリンピック終了後、南北対話が行き詰まった段階で、昨年末の緊迫した状況に戻るだろう。

 経済的学的リスク、地政学的リスクどちらが先に発生するか?いつ発生するか?は神のみぞ知るが、これらのリスクが発生した場合、多くの証券会社で利用しているAIが率先して「売りが売りを呼び」大暴落が発生する。年明け早々「世界的に景況感が良い」というニュースを耳にするが、こうした最悪のシナリオも頭の片隅に置くべきだ。




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