執筆者: 伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリー 伊藤 敏憲
 提供: 昭和シェル石油  東燃ゼネラル石油 三菱商事石油 
 

競争に打ち勝つためのSS経営戦略

活ノ藤リサーチ・アンド・アドバイザリー

伊藤 敏憲


1. 10年後のSSの経営環境

 

1SS当たりのガソリン販売量は現状比5-10%程度増加する見込み

私は、今後10年間にガソリンの国内需要は年率2-3%程度、軽油は年率1-2%程度のペースでそれぞれ減少すると予想しています。乗用車の国内保有台数は横ばい(11〜13年は年率約1%増)、トラックおよびバスの国内保有台数は年率1%程度のペースで減少(11〜13年はトラックが年率1%減、バスが微減)と見込んでいますが、乗用車において、軽自動車やハイブリッドカー(HVC)など燃費の良い車種のシェア拡大、燃料油をほとんど消費しないプラグイン・ハイブリッドカー(PHVC)や電気自動車(EV)の普及、燃料電池車(FCV)や水素燃料自動車(HV)の登場などにより、平均燃費が年率2-3%のペースで改善すると予想しているからです。

自動車燃料油以外の石油製品については、石油業界が需要の維持に積極的に取り組まない限り、灯油は業務用・家庭用分野で電気およびガスにシェアを奪われ、重油は都市ガスへの燃料転換や石油火力発電設備の廃止などにより、それぞれ自動車用燃料油以上に国内需要が落ち込む見通しです。

一方、SS数は、過去10年間とほぼ同じペースで減少し続け、10年後には現状比で約3割減少する見通しです。元売の販売子会社や会社経営の販売店における低採算・不採算SSの閉鎖、事業採算の悪化や後継者難を背景にした個人経営店の廃業などが続くと予想されるからです。

この結果、10年後の1SS当たりの燃料油販売量は、現状に比べて、ガソリンが5〜10%程度、軽油が10〜20%程度、それぞれ増加する見通しですが、過去の傾向と同様に、販売事業者、SS間で増減が分かれる状況が続くと考えられます。

石油製品の粗利益は、小売マージンが2010年頃から安売量販型SSですら十分な採算が確保できない水準までたびたび下落するようになっていますので、今後大幅に縮小することはないと予想されますが、趨勢的に拡大に向かうとは思えません。

この結果、1SS当たりの石油製品の粗利益は、現状と大きく変化することはなく、大半のSSにおいて石油製品の利益だけでは健全に経営することが難しい状況が続くと予想されます。

 【石油販売事業者とSS数の推移

 (データ出所:経済産業省)


【ガソリン平均販売量の推移

  (データ出所:経済産業省、IR&A)


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