執筆者: 伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリー 伊藤 敏憲
提供: 昭和シェル石油  東燃ゼネラル石油 三菱商事石油 伊藤忠エネクス
 


石油製品需要の維持・拡大を業界全体で取り組みを


 数年来、石油製品の需要が減少している。バブル経済崩壊以降の長引く景気低迷(俗にいう失われた二十数年)、人口減少、若者の車離れ、エコカーの普及による大幅な燃費向上、電力・ガスといった他のエネルギーとの競合などが原因で、需要の減少傾向は今後も続くと予想されている。

SS販売業界に目を向けてみると、全般的な需要減少・行き過ぎた過当競争を背景にしたマージンの減少による販売業者の経営状況の悪化。同族経営の中小零細業者の後継者不在による廃業問題など様々な要因が重なり、SS数は減少の一途をたどっている。資源エネルギー庁のデータでは、最近3年間のSS閉鎖数は2009年度が1,733、2010年度が1,580、2011年度が1,030で、漸減傾向ながら1,000超の高水準が続き、結果として2011年度末時点の総SS数は3万7,743に減少している。

 さらに、老朽化した地下タンクの漏洩防止対策を義務づける消防規制の猶予期限(今年1月31日)を迎え、40年以上を経過した老朽地下タンクに対して内面ライニング、高精度油面計、電気防食などの一定の対応策を求めている。これに対し、資源エネルギー庁は「被災地域等地下タンク環境保全対策促進事業」という補助制度を設け、タンク保有者の負担軽減に取り組んだが、補助を受けても相当額の自己投資が必要なため、経営環境の悪化と合わせて、閉鎖を決断するSS経営者は少なくない。今年度は消防規制強化の影響で、SS閉鎖の加速が見込まれており、最終的には2,000近くに達する可能性もある−と指摘する関係者もいる。

一方、一昨年の東日本大震災の発生以降、原子力発電所の稼働停止に伴う電力の供給不足を回避するため、石油火力はバックアップ電源として、系統電力の安定供給に貢献した。急激な発電用燃料の需要増加に対応するため、C重油の増産、輸入などにより供給量を確保し、発電用燃料の安定供給に努めた。また、一部の精製元売りは被災地に向けてドラム缶で石油製品をトラックで輸送。石油製品が有事に強く、機動性に優れたエネルギーであることを証明した。

このように石油製品が有事に強いエネルギーということは認知されたが、迅速な有事対応を可能にするには、平時から安定的な製油所の稼働、油槽所を含めた流通経路の整備は必要不可欠。常日頃から消費者に対し、石油製品の優位性や機動性に加え、製油所稼働に対する安全性や環境への配慮をアピールし、その他の競合するエネルギーではなく、石油製品を選んでもらうことに全力を傾けなければならない。全てのエネルギーの中で、石油エネルギーが一定以上のシェアを確保し、業界が健全に機能することが有事対応を含めた日本国にとって重要ということを訴えていかなければならない。

石油製品の需要は減少している反面、石油エネルギーの重要性は認知されている状況下、「石油業界で活躍する人々は具体的に何をすればよいのか?」当サイトを代表する執筆者である伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリー代表の伊藤敏憲氏に分析、解説していただく。今回の「石油製品復権特集」は伊藤忠エネクス様、三菱商事石油様、昭和シェル石油様、東燃ゼネラルグループ様などスポンサー各社の提供により掲載しています。

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