政治・石油業界を含む経済、各種市場などのテーマを独自の視点から分析・解説します。

 


2014年本格的な景気回復への課題


従来型の公共事業だけでは効果は限定的

 

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年一年を顧みると、「アベノミクス」という経済政策で国内の経済情勢は様変わりしたと言えよう。為替は対米ドルで円安が進み1ドル=105円台、日経平均株価も急激に上昇し一万六千円台をつけた。輸出産業、大手企業を中心にして収益が改善、一部企業では賞与が上昇した。物価も上昇し始め、日本経済が長年苦しんできたデフレ傾向に歯止めがかかった。これに伴い、アベノミクスで恩恵を受けた人々の消費マインドにも変化が現れ、百貨店などでは高額商品が売れるという現象が起きた。これらの現象はアベノミクスの“明”の部分であり、あくまでも一部の富裕層に限定されており、国民全体に波及したわけではない。一方、“暗”の部分は円安による輸入品の価格上昇によって、電力、石油製品などのエネルギー、食料品の値上げによって、一般庶民の生活が苦しくなり、中小零細企業(主に国内市場向けの製造業)は原材料の高騰によって、経営状況が悪化した−と言うところも少なくない。

 さて今年はどうなるか?政府首脳は口をそろえて大企業経営が改善されれば、そこで働く人たちの所得が上昇し消費が拡大することで、お金が循環し二次的・三次的にアベノミクスの効果を国民全体で恩恵が受けられる。都市部限定の景気改善の兆しが地方まで拡大する−という趣旨の見解を示している。果たして政府首脳が唱える好循環が今年も継続されるのか?そのカギを握るひとつは今春の賃金のベースアップである。為替の変動や株価の上昇だけで経営状況が改善されても、実質的な経営が改善されない限り、ベアを実行する経営者は少ないだろう。さらには4月以降の消費税増税は確実に消費を抑制する。日銀が追加の金融緩和やアメリカの金融緩和縮小が進めば、円安が進行し株価は維持・上昇する可能性が強い。しかし、実体経済の改善が置き去りにされて円安や物価だけが上昇しても、国民全体あるいは地方部まで景気が改善するとは思えない。

やはり、アベノミクス第三の矢と呼ばれている「規制緩和」が進まなければ、本質的な景気回復にはつながらないだろう。残念ながら昨年後半の臨時国会をみると、秘密保護法案成立ばかりが目立つ国会となり、大胆な規制緩和が行われたようには見えない。今年の予算編成をみても、消費税増税時の景気の腰折れを防止するため、大規模な予算が組まれたが、公共事業を中心とした従来型の予算編成と見るのが妥当だろう。こした公共事業で景気を下支えする効果は期間が限定されており、長期間は続かないだろう。この手法はバブル崩壊以降、自民党政権下で行われており、結果的には国家財政を悪化させたことは周知の事実である。

今年の景気拡大の前提条件として、大胆な規制緩和によって役人の権限を縮小させ自由経済を促進、外国人の起業家や投資家にとって日本を魅力ある市場にすること。これまでにない新しいビジネスモデルによる新しい業界の種をまき、日本経済の新たな柱を作ること。国民の消費を活発にするためには、年金の安定や社会保障の充実など、将来の不安を改善させること−などが重要である。高齢化が進み人口が減少している日本の現実を真摯に受け止め、これまでに例のない経済政策を講じなければならない。

 

 



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