業界事情の「今」を見つめる 石油ネット

東京電力の白馬の騎士は


あの3・11東日本大震災から11カ月が過ぎ、一年を迎えようとしている。震災だけでなく、原発問題もあって東京電力に加え各電力会社の原発が停止し、改めて今後の電力不足が懸念されているのは周知の通り。また原発補償に端を発して、一般マスコミでは、東京電力の「発送分離」、「電気事業資産(発電設備)の売却」、「火力発電部門の分離・売却」−などを報じているが、その真相は依然として明らかでない。

 

「東電絡みの報道には枚挙の暇はないが、火力発電重視ということで、LNGだけではなく、これまで需要が期待できなかったC重油の需要復活など電力向けを主軸とする元売会社にとっては想定外の需要で顔がほころぶだろう」と語るのは業界関係者のひとり。石油連盟の統計によると、昨年一年間のC重油の販売は前年比割れとなったガソリン販売を尻目に、前年実績と比べて122%の伸びとなり、火力発電需要を立証している。

 

現実として東京電力の原発補償について、火力発電の分離−という報道について、当事者の東京電力は否定のコメントを発している。しかし、この世の中、火のないところに煙は立たず−の例えではないが、「老朽化した火力発電設備の補強などに相当の資金かかるため、資金捻出のための新会社を立ち上げるのではないか」との見方もある。そして「元売会社は需要のパイが少なくなったC重油の需要復活に対して、最大の顧客需要家が窮地な状況にあるなか、白馬に騎士、ホワイトナイト的に救いの手を差し伸べる元売も現れてくるのではないか」と推測する関係者もいる。「例えば昨年末にJX日鉱日石エネルギーの木村社長が一般紙とのインタビューのなかで電力会社を買ってもいいくらいの発言があったというが、火力発電増強のために資金捻出に頭を痛める東電に対して、何らかの形で資金提供を行えば、それこそJX日鉱日石エネルギーは名前の通り、総合エネルギー会社へと変身することになるのだが…とも同関係者は呟く。

 

【維  新】 (1) 物事が改まって新しくなること。 (2) 明治維新の略。

【以心伝心】 (1) 禅家で、言語では表されない真理を師から弟子の心に伝えること。
                 (2) 思うことが言葉によらず、互いの心から伝わること。

【維新伝心】 (1) 石油ネットによる造語で、HP連載のタイトル。
                 (2) 物事が改まって新しくなる様や世の中の真理を、心から心に伝えようとするホームページ上の試み。

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